ゴルフクラブのグリップは消耗品です。一般的にグリップの寿命は40ラウンドまたは1年程度と言われており、すり減ったグリップはグリップ力が低下してミスショットの原因になります。
ショップでグリップ交換を依頼すると1本あたり500~800円の工賃がかかりますが、自分で交換すれば工賃がゼロになります。作業自体は慣れれば1本5分程度で完了するため、コスト削減と愛着の両面でDIY交換はおすすめです。
この記事では、グリップ交換に必要な道具、具体的な手順、失敗しないためのコツ、おすすめのグリップブランドまで詳しく解説します。

グリップ交換に必要な道具
用意するもの
・新しいグリップ
・グリップ交換用両面テープ
・溶剤(グリップ交換用スプレーまたはパーツクリーナー)
・グリップカッター(またはカッターナイフ)
・タオルまたはウエス
・作業台またはバイス(クラブを固定できるもの)
道具一式はゴルフショップやホームセンターで揃えられ、溶剤と両面テープで1,000円程度、グリップカッターは500~1,000円程度です。ALBAのグリップ交換ガイドでも道具の解説があります。初回の道具代を合わせても2,000円程度で済むので、2回目以降はグリップ代だけで交換できます。
グリップ交換の手順
ステップ1:古いグリップを外す
グリップカッターまたはカッターナイフで古いグリップに切り込みを入れ、剥がしていきます。カッターナイフを使う場合はシャフトを傷つけないよう、刃の角度に注意してください。特にカーボンシャフトは傷に弱いため、グリップ専用カッターの使用をおすすめします。グリップの端を指で持ち上げながら少しずつ切り進めると、シャフトへのダメージを避けられます。
ステップ2:古い両面テープを除去する
グリップを外すとシャフトに古い両面テープが残っています。溶剤を染み込ませたタオルで擦り取りましょう。きれいな状態にしておかないと、新しいテープの接着力が低下します。古いテープがなかなか取れない場合はドライヤーで温めると粘着力が弱まって剥がしやすくなります。ただしカーボンシャフトに高温を当てすぎると素材にダメージが入る可能性があるため、30cmほど離して短時間で行うようにしましょう。
ステップ3:新しい両面テープを貼る
グリップの長さに合わせて両面テープを貼ります。縦巻き(シャフトに沿って真っすぐ貼る)が最も簡単で初心者向けです。テープの端はシャフトの先端を折り返して塞ぎます。装着するグリップの長さとテープを貼る箇所のサイズを合わせておくと仕上がりが良くなります。貼り終わったら剥離紙を剥がしましょう。
ステップ4:溶剤を塗布する
グリップの空気穴を指で塞ぎ、グリップの中に溶剤を2秒ほどスプレーします。中の溶剤を揺すってグリップ内面全体に行き渡らせたら、残った溶剤をシャフトの両面テープの上にまんべんなく垂らします。溶剤が足りないとグリップが途中で止まってしまうので、たっぷり使うのがコツです。目安としてはグリップ1本あたり溶剤を3~4秒スプレーする量が適切です。
ステップ5:グリップを差し込む
溶剤が乾く前にスピード勝負です。グリップの口を広げながら、シャフトに一気に押し込みます。途中で止まった場合は力を入れて最後まで押し込みましょう。向きがずれていたら、溶剤が乾く前にグリップを回して修正します。バックライン(グリップ裏側の突起)があるタイプは向きが重要なので、差し込む前にどの向きにするか決めておきましょう。
ステップ6:乾燥させる
グリップを差し込んだら、向きを最終確認して乾燥させます。専用溶剤なら一晩、パーツクリーナーなら数時間で使用可能になります。乾燥が不十分な状態で使用するとグリップが回転してしまう恐れがあるので、十分な乾燥時間を確保しましょう。

グリップ交換で失敗しないためのコツ
溶剤は多めに使う
溶剤が少ないとグリップがシャフトに入りにくくなります。多めに使っても乾けば問題ないので、ケチらずにたっぷり塗布しましょう。溶剤が足りずに途中でグリップが止まってしまうと、そこから動かせなくなり最悪の場合はグリップを切って再度やり直しになります。最初のうちは気持ち多めに使う方が失敗を防げます。
グリップの向きに注意
バックラインがあるタイプは向きが重要です。差し込む前にどの向きにするか決めておき、素早く調整しましょう。飛衛門のグリップ交換ガイドでも向きの確認方法が紹介されています。
作業場所の養生
溶剤が垂れると床や家具を汚す可能性があります。新聞紙やビニールシートを敷いた上で作業しましょう。屋外での作業が理想的ですが、室内で行う場合は換気を十分にしてください。
最初は不要なクラブで練習する
初めてグリップ交換をする場合は、使っていない古いクラブで練習してから本番に臨むのがおすすめです。1本練習すればコツが掴めるので、本番では失敗のリスクを大幅に減らせます。
溶剤は引火性があるものもあるため、火気のない場所で使用し、換気の良い環境で作業しましょう。使用後の溶剤やウエスの取り扱いにも注意が必要です。
グリップ交換の目安とメリット
交換すべきサイン
グリップの表面がツルツルになっている、硬くなってゴムの弾力がない、手が滑る感覚があるなら交換のサインです。雨の日に特に滑りやすくなったら、限界を超えています。新品のグリップと比べてみると、いかに劣化していたかが一目瞭然です。
DIY交換のコスト
グリップ1本の価格は500~2,000円程度です。工賃がかからないため、14本全部交換しても7,000~28,000円程度。ショップに依頼した場合の工賃(7,000~11,200円)分を丸々節約できます。さらに、グリップと両面テープ・溶剤のセットをまとめ買いすると割引されることも多く、13本セットで送料込み7,000円前後で購入できるショップもあります。年に1回交換する場合、5年間で35,000~56,000円の工賃が節約できる計算になるため、道具への初期投資はすぐに回収できます。
交換頻度の目安
練習頻度が高い方は半年に1回、一般的なゴルファーでも年に1回は交換を検討しましょう。グリップの劣化はじわじわ進むため、自分では気づきにくいのが厄介です。定期的な交換を習慣にすると、常にベストなグリップ感でプレーできます。

おすすめのグリップブランド
ゴルフプライド
世界で最も使用されているグリップメーカーです。Tour Velvetシリーズは多くのプロが使用しており、オールラウンドな性能が評価されています。初めてのグリップ交換なら、まずTour Velvetを選んでおけば間違いありません。雨でもグリップ力が落ちにくいのも特徴です。
イオミック
日本メーカーのイオミックは、鮮やかなカラーバリエーションが特徴です。エラストマー素材のソフトな握り心地が人気で、女性ゴルファーやシニアゴルファーにも支持されています。見た目のおしゃれさを重視する方にもおすすめです。
スーパーストローク
パター用グリップでトップクラスのシェアを持つブランドです。極太のグリップが特徴で、手首の余計な動きを抑えてパッティングを安定させます。パターの調子が悪い方は、グリップ交換だけで改善することもあります。
ノーワン
最近人気が高まっているブランドで、柔らかい握り心地と高いグリップ力を両立しています。素手で握ったときの感触が良く、グローブなしでのプレーを好む方にも適しています。
よくある質問(Q&A)
Q. 初めてでも本当にできる?
はい、最初の1本は15分程度かかるかもしれませんが、2本目からはコツがつかめて5分程度で完了します。滋賀ゴルフクラブのグリップ交換ガイドでも初心者向けに手順が詳しく解説されています。YouTubeの解説動画を見ながら作業すると安心です。
Q. パーツクリーナーでも代用できる?
はい、パーツクリーナーは揮発が早いため乾燥時間が短いメリットがあります。ただし揮発が早い分、差し込み作業をより素早く行う必要があります。初めての方は専用溶剤の方が作業時間に余裕が持てるのでおすすめです。
Q. グリップのサイズ選びのポイントは?
手が小さい方はレディースサイズやアンダーサイズ、標準的な方はスタンダードサイズを選びましょう。太いグリップは手首の動きを抑え、細いグリップは操作性を高めます。迷ったらスタンダードサイズが無難です。
Q. 全クラブ同じグリップにすべき?
統一する方がグリップ感覚が揃うためおすすめです。ただし、パターだけは太めのグリップにするゴルファーも多いです。ウェッジだけコード入りグリップにして雨天対策をするのも良い方法です。
Q. 古いグリップは再利用できる?
切って外したグリップは基本的に再利用できません。ただし、エアコンプレッサーで空気を入れて外す方法なら再利用可能です。再利用したい場合はエアガン式の取り外し方法を検討してみましょう。
Q. グリップ交換は何月がベスト?
シーズン開始前の春先が理想的です。冬の間にグリップが硬化している場合が多いので、シーズン前に新品に交換するとフレッシュな感触でスタートできます。

まとめ
グリップ交換は道具を揃えれば自宅で簡単にできるメンテナンスです。必要なのは新しいグリップ、両面テープ、溶剤の3点で、1本あたり5分程度で完了します。
新品のグリップはグリップ力が格段に向上し、スイングの安定感が増します。DIYなら工賃を節約でき、長期的に見ると大きなコスト削減になります。定期的な交換でクラブのコンディションを保ち、ベストなパフォーマンスを発揮しましょう。

