近年、多くのゴルフ場で「セルフプレー」が主流になっている。セルフプレーとは、キャディを付けずにプレーヤーだけでラウンドするスタイルのことだ。キャディ付きプレーに比べて費用を抑えられるメリットがある一方、初心者にとっては「全部自分でやらないといけないのは不安」と感じるかもしれない。
この記事では、セルフプレーの基本的な流れから、初心者が知っておくべきコツや注意点まで詳しく解説する。ポイントを押さえておけば、初めてのセルフプレーでも快適にラウンドを楽しめるはずだ。

セルフプレーとは?キャディ付きプレーとの違い
まず、セルフプレーの基本を整理しておこう。
セルフプレーの特徴
セルフプレーでは、キャディのサポートなしにプレーヤー自身がすべてを行う。具体的には以下の作業を自分たちで担当することになる。
- クラブの選択と受け渡し:自分でバッグからクラブを選んで持っていく
- 残り距離の確認:カートナビやヤード杭を使って自分で確認する
- グリーンのライン読み:自分の目で傾斜を判断する
- ボール探し:同伴者と協力して探す
- バンカーならし、ディボット修復:自分でやる
- カートの運転:交代で運転する(自走式の場合)
セルフプレーのメリット
セルフプレーには以下のようなメリットがある。
- 費用が安い:キャディフィー(1組あたり3,000〜5,000円程度)がかからない
- 自分のペースでプレーできる:クラブ選択やライン読みを自分で行うため、自分のリズムでプレーしやすい
- コースマネジメント力が身につく:自分で距離を計測し、戦略を考えることで実力がつく
- 気楽にプレーできる:キャディがいないぶん、仲間内で気兼ねなく楽しめる
セルフプレーのデメリット
- コースのレイアウトが分からない場合、攻め方に迷うことがある
- グリーンのライン読みを自分でやらなければならない
- ボール探しに手間取ると、スロープレーになりやすい
デメリットはあるものの、カートに搭載されたGPSナビや距離計アプリの普及により、セルフプレーでもコースの情報を得やすくなっている。初心者でもツールを活用すれば、キャディなしでも十分にプレーを楽しめる環境が整っているのだ。
セルフプレーの1日の流れ
初めてのセルフプレーで戸惑わないように、当日の流れを時系列で確認しておこう。
到着〜受付
スタート時間の30分〜1時間前にはゴルフ場に到着するようにしよう。フロントで受付を済ませ、ロッカーで着替えてから練習場(打ちっぱなし)やパッティンググリーンでウォーミングアップする。
カートへの荷物積み込み
セルフプレーでは、カートへのゴルフバッグの積み込みは自分で行うことが多い。ゴルフ場によってはスタッフが積み込んでくれるところもあるが、セルフプレー主体のコースでは基本的に自分で行う。カートの位置はフロントやマスター室で確認しよう。
スタート
スタート時間になったら、1番ホール(またはゴルフ場が指定した「アウト」か「イン」のスタートホール)へ移動してプレーを開始する。スタート時間に遅れるのは最もやってはいけないマナー違反なので、余裕を持って準備しておこう。
前半9ホール → 昼食 → 後半9ホール
日本のゴルフ場では、前半9ホールをプレーした後にクラブハウスのレストランで昼食を取り、後半9ホールをプレーするのが一般的な流れである。スループレー(休憩なしで18ホール続けてプレー)ができるゴルフ場も増えてきているので、予約時に確認しておこう。
プレー終了〜精算
18ホールを終えたら、カートをカート置き場に戻し、荷物を降ろす。ロッカーで着替えてからフロントで精算して終了だ。

セルフプレーで使える便利ツール
キャディがいない分、自分で距離やコース情報を把握する必要がある。以下の便利ツールを活用しよう。
カートナビ(GPSナビ)
多くのゴルフ場のカートには、GPSナビゲーションが搭載されている。残り距離、グリーンまでのヤーデージ、ハザード(バンカーや池)の位置がリアルタイムで表示されるので、コースを知らなくても安心してプレーできる。
カートナビの操作方法が分からない場合は、スタート前にマスター室のスタッフに聞いておくと良い。
スマートフォンの距離計アプリ
スマートフォンに入れられるゴルフ用の距離計アプリも便利だ。GPSで現在地からグリーンまでの距離を自動計測してくれるものが多く、無料で使えるアプリもある。カートナビがないゴルフ場でも、スマホアプリがあれば距離の把握に困ることはない。
レーザー距離計
ピンフラッグまでの正確な距離を測定できるレーザー距離計は、セルフプレーの強い味方だ。カートナビよりも精度が高く、ピンまでの距離をピンポイントで測定できる。最近はルール上も使用が認められているので、1台持っておくと非常に役立つ。
![]()
![]()
ヤード杭の見方
コース上には残り距離を示すヤード杭が立てられている。一般的に、残り100ヤード、150ヤード、200ヤードの位置に杭や表示があることが多い。ゴルフ場によって色分けのルールが異なるが、コースガイドやカートナビで確認できる。
- ヤード杭の距離はグリーンセンター(中央)までの距離が一般的
- ピン位置によって実際の距離は前後するので注意
- カートナビやアプリと併用すると正確性が増す
セルフプレーで初心者が押さえるべき7つのコツ
コツ1:クラブは2〜3本持って移動する
セルフプレーではカートとボールの位置が離れることが多い。ボールの位置まで行くたびにカートに戻ってクラブを取りに行くと、時間のロスになる。ボールの位置に向かう前に、使う可能性のあるクラブを2〜3本持っていく習慣をつけよう。
コツ2:ボールの落下地点をしっかり見ておく
キャディがいないため、自分のボールの行方は自分で追わなければならない。ショットを打ったら、ボールがどの方向に飛んでいったかをしっかり目で追おう。同伴者に「ボール見ておいてください」とお願いするのも有効だ。目印になる木やバンカーの近くに落ちた場合は、その目印を覚えておくと探しやすい。
コツ3:カートの停車位置を工夫する
カートの停車位置によって、移動時間が大きく変わる。基本的には、ボールの位置の延長線上で、次のプレー方向に近い場所にカートを停めるのが効率的だ。グリーン周りでは、次のホールのティーイングエリアに近い側にカートを停めると、プレー後の移動がスムーズになる。
コツ4:バンカーならしとディボット修復を忘れない
キャディがいれば代わりにやってもらえるが、セルフプレーではすべて自分で行う必要がある。バンカーに入った後は必ず砂をならし、フェアウェイでターフ(芝)を削った場合は目土(めつち)をする。グリーン上でボールの落下でできたピッチマーク(くぼみ)も、グリーンフォークで直しておこう。
![]()
![]()
コツ5:スコアカードの記入はテキパキと
セルフプレーでは、スコアの記入も自分で行う。ホールが終わるたびに次のホールに移動しながらスコアを記入する。グリーン上でスコアを記入していると後続組に迷惑がかかるので、次のホールのティーイングエリアに着いてから記入しよう。スコア管理アプリを使えば、スマートフォンで手軽に記録できる。
コツ6:コースレイアウトを事前にチェックしておく
初めてのコースでセルフプレーをする場合は、事前にゴルフ場のウェブサイトや予約サイトでコースレイアウト(各ホールの地図)を確認しておくと良い。ドッグレッグ(曲がっているホール)やハザードの位置を頭に入れておくだけで、コースマネジメントがぐっと楽になる。
コツ7:暫定球を活用してスロープレーを防ぐ
ティーショットが林やOBの方向に飛んだ場合は、すぐに暫定球を打つ。ボールが見つからなかった場合に打ち直しに戻る時間をカットでき、プレーの進行を妨げない。セルフプレーではキャディによるボール探しの助けがないため、暫定球の活用がより重要になる。

カート運転の基本ルールとマナー
セルフプレーではカートの運転も自分たちで行うことが多い。安全にプレーするためのカートのルールを押さえておこう。
カート走行の基本ルール
- カートはカート道路上を走行するのが基本(フェアウェイ走行OKのコースもある)
- 速度は控えめに。急カーブや下り坂では特に注意
- グリーン周辺やティーイングエリアにカートを乗り入れない
- 他のプレーヤーが打っているときはカートを停止して待つ
カート運転時の注意点
- ゴルフカートは重心が高く、急ハンドルを切ると横転する危険がある
- 乗降時は必ずカートが完全に停止してから行う
- 他のプレーヤーのクラブバッグを踏んだり、カートに巻き込んだりしないよう注意
- 飲酒後の運転は絶対にNG
カートの操作方法はゴルフ場によって異なるが、基本的にはアクセルペダルとブレーキペダルの2ペダル方式が多い。分からないことがあれば、スタート前にスタッフに確認しておこう。
セルフプレーでよくあるトラブルと対処法
トラブル1:ボールが見つからない
対処法:3分間探しても見つからなければ、紛失球として処理する。暫定球を打っていれば、それを使ってプレーを続行できる。暫定球を打っていない場合は、直前に打った場所に戻って打ち直す(1打罰)。ローカルルールで前進4打が適用されているコースもある。
トラブル2:前の組が見えなくなった
前の組との距離が大きく開いている場合、自分たちのペースが遅い可能性がある。クラブ2本持ち、レディーゴルフ、素振りの回数制限など、プレーファストのテクニックを意識しよう。
トラブル3:ルールの判断に迷う
セルフプレーではルールの判断も自分たちで行う必要がある。迷った場合は、同伴者と相談して決める。それでも分からない場合は、後日ゴルフ場やJGA(日本ゴルフ協会)のウェブサイトで確認し、次回に生かすのが良い。プレー中にスマートフォンでルールを検索するのも一つの手だが、時間をかけすぎないように注意しよう。

Q&Aコーナー:セルフプレーに関するよくある疑問
Q. 初心者がいきなりセルフプレーでも大丈夫?
A. 経験者と一緒であれば問題ない。初めてのラウンドは、経験豊富な同伴者にコースの回り方やマナーを教えてもらいながらプレーするのがベストだ。全員が初心者の場合は、最初の1〜2回はキャディ付きプレーを選ぶか、事前にショートコースで実践練習をしておくと安心である。
Q. セルフプレーとスループレーの違いは?
A. セルフプレーは「キャディなし」を意味し、スループレーは「昼食休憩なしで18ホール連続プレー」を意味する。両者は別の概念で、セルフプレーでも昼食休憩ありのケースが多い。スループレーが可能かどうかはゴルフ場によって異なるので、予約時に確認しよう。
Q. 2人でのセルフプレー(2サム)はできる?
A. 多くのゴルフ場で2サムプレーは可能だが、追加料金が発生するケースが多い。2サム料金は1人あたり1,000〜3,000円程度が一般的だ。平日は2サム割増なしで回れるゴルフ場もあるので、予約サイトで確認してみよう。
Q. セルフプレーで距離計は使える?
A. ルール上、レーザー距離計やGPS距離計の使用は認められている。セルフプレーでは距離計の活用が特に有効なので、ぜひ活用してほしい。コースによっては追加の機能(高低差測定など)が制限される場合もあるが、基本的な距離測定は問題なく使用できる。
まとめ:コツを掴めばセルフプレーは楽しさ倍増
セルフプレーの基本から、初心者が押さえるべきコツ、カート運転のマナーまで詳しく解説してきた。ポイントを振り返ろう。
- セルフプレーはキャディなしでプレーするスタイル、費用が安いのが最大のメリット
- カートナビ、スマホアプリ、距離計などのツールを活用して距離を把握する
- クラブ2〜3本持ち、暫定球の活用、カートの停車位置の工夫でスロープレーを防ぐ
- バンカーならしやディボット修復などのコース整備は自分で行う
- カート運転は安全第一、急ハンドル・急ブレーキは厳禁
セルフプレーは、自分でコースを攻略する楽しさがある。キャディのアドバイスに頼らず、自分で距離を計測し、クラブを選び、戦略を立てる。その過程で得られるコースマネジメント力は、ゴルフの上達に大きく貢献するだろう。
最初は慣れないことも多いかもしれないが、2〜3回経験すれば自然と流れが身につく。気負わず、まずは楽しむ気持ちでセルフプレーにチャレンジしてみてほしい。

参考リンク:
- JGA ゴルフ規則 – ゴルフの公式ルールを確認できる
- 楽天GORA – セルフプレーのゴルフ場予約ができる
- アコーディア・ゴルフ – セルフプレー対応のゴルフ場チェーン

